また、この結果をもとに実際にバイオ飲料「アポイダン‐U」をはじめ、多数の健康食品を商品化されました。 弊社にとりましても昆布を取り扱われる同業者として宝酒造(株)様とネットワークを組むことにより、より一層の 昆布の拡販につながるものと考えました。21世紀に入り、より一層"健康"に対しての関心が強まる中で、 日本古来の健康食としての「昆布」をみなさまの健康維持にお役立ていただけるよう、なお一層努力いたしてまいります。 ぜひともご利用いただきますようお願い申し上げます。
ガゴメ昆布フコイダンにインフルエンザウイルスの増殖抑制作用を確認!!
ガゴメ昆布フコイダンのインフルエンザに対する効果を明らかにする目的で細胞実験によるウイルス増殖抑制効果の評価を行いました。実験には、A型インフルエンザウイルスである”ヒト型インフルエンザウイルスのH1N1亜型”および”弱毒性鳥インフルエンザウイルスのH5N3亜型”を使用しました。
これらのウイルスを宿主細胞に感染させ、24時間培養した後に増殖したウイルスの量を測定しました。
その結果ウイルス感染時からガゴメ昆布フコイダンを添加した場合に、インフルエンザウイルスの増殖が強く抑制されました。
ガゴメ昆布フコイダンのH1N1亜型に対する増殖抑制活性は、様々な海藻由来のフコイダン試料に比べて10倍以上強く、抗インフルエンザ薬のオセルタミビル(商品名:タミフル)の1/3程度でした。
さらに、ガゴメ昆布フコイダンの抗インフルエンザウイルス作用について詳しく調べたところ、ガゴメ昆布フコイダンの作用部位はオセルタミビルとは異なり、細胞の中にインフルエンザウイルスが侵入する段階を抑えることがわかりました。
今回の研究成果は、2010年3月28日より岡山で開催される日本薬学会第130年会にて発表予定です。今後さらに動物実験などによってガゴメ昆布フコイダンのインフルエンザに対する効果について研究を進めてまいります。
「ぼけ」「痴呆」に代表される脳神経障害は、その原因から「脳血管性痴呆」と「アルツハイマー病」の2つに分類されます。「脳血管性痴呆」とは、脳の血管が詰まり血液が供給されなくなって脳神経細胞が
壊れたり、アンテナが機能しなくなったりして障害を引き起こすもので、現象としては「脳梗塞」、原因としては「高血圧」「動脈硬化」「糖尿病」などの病気です。アルツハイマー病は、急速に脳神経細胞が
破壊されていく病気で、その原因はまだよくわかっていません。前述したように、一度壊れた脳神経細胞は元には戻りません。しかし、まだ壊れていない細胞の樹状突起、すなわちアンテナが十分に働いていると、
機能の低下は起こりにくく、また壊れた脳神経細胞の働きを補助的に補っていくことができます。
現在の医学で「ぼけ」「痴呆」を予防・治療する手段としては、『脳組織の血液の流れを良くする』、『神経伝達物質を減少させない』、『樹状突起(アンテナ)の機能低下を防ぐ』の3つの方法があげられます。
3番目の樹状突起(アンテナ)の機能低下を防ぐ(アンテナの故障を修復する)には、「神経成長因子(NGF)」が重要な働きをすることがわかっています。NGFをアンテナの壊れた脳神経細胞に与えると、再び
アンテナをのばし、周りの細胞との連絡を取り合うようになり、残された脳神経細胞を活性化することで壊れた細胞の機能を補い、「ぼけ」「痴呆」の予防及び治療効果が期待されます。
「ぼけ」「痴呆」の予防・治療にはまだまだ不明なところが多いのが現状ですが、その中で、今、NGF(神経成長因子)が注目されています。
「NGF(神経成長因子)」とは
神経細胞の誕生を促す作用、神経細胞の生存を維持する作用、脳の損傷時に修復する作用、脳神経の機能を回復し脳の老化を防止する作用などをもつ、神経細胞の生と死に密接に関わるタンパク質です。脳血管性痴呆、
アルツハイマー病の予防・治療に有効であると注目されていますが、NGFは分子量が大きく、抹消血管への投与では血液脳関門を通過できないため、脳への直接投与が必要であり、実用化にはいたっていません。
「NGFの生体内産生を促進する食用植物成分」
宝酒造バイオ研究所では、明日葉、ホップ、ガジュツ(紫ウコン)などの食用植物の成分が、痴呆症の予防・治療に有効と期待されるNGFの生体内での産生を顕著に増強することを発見しました。明日葉では、15〜20倍に
NGF産生を増強、ホップ・ガジュツも5〜10倍にNGF産生を増強しました。
活性成分を単離し、その化学構造を分析した結果、明日葉からは2種類の新規物質を含む4種類のクマリン化合物と1種類の新規クロマン化合物を発見、また、ホップからはカルコンの1種であるキサントフモールをNGF産生増強物質として発見しました。
「コンブの科学」
海の野菜である海藻、特にコンブ、ワカメ、モズク、ヒジキなどの褐海藻は、縄文、弥生の時代から東洋人、中でも日本人に常用されてきました。生活の欧米化に伴ない海藻離れが進みつつありましたが、近年、また海藻食が見直され始めてきました。
生命の源である海の中の養分を十分に吸収して育った海の野菜・海藻は、陸上の一般野菜に比べてビタミンやミネラルが多く、中でもカルシウム、鉄、マグネシウム、ヨウ素など高等動物に必須の微量元素の含有量が高いことが知られています。海藻には、
消化、吸収されやすい単糖類や脂質などの栄養素は少なく、低エネルギーで良質の水溶性の食物繊維がたっぷり含まれており、食物繊維の効果的な供給源となっています。
また、最近の研究により、これらの食物繊維には従来の栄養学では予想もしなかった機能や、栄養生理上著しい効果をもつ成分が含まれていることも明らかになってきました。 コンブをはじめとする褐藻類には、フコイダンと呼ばれる海藻食物繊維(多糖類)が乾燥重量の4%前後含まれています。宝酒造バイオ研究所では、このコンブの成分の多機能活性に以前から注目し、生理活性をもつ食物繊維「フコイダン」の科学的解明に取り組んできました。 蛋白質や核酸(特にDNA)を自動分析するための機器は、開発が非常に進んでいて、基礎研究や応用研究分野に広く普及していますが、糖成分の分析用機器にはそれに相当するものがありませんでした。 しかし、新規で画期的な糖質分析システムを大阪大学と宝酒造バイオ研究所が共同で開発したことにより、この分野の研究が一段と進展することになりました。
「フコイダン」
この分析用機器を駆使した、宝酒造バイオ研究所と(株)糖鎖工学研究所との共同研究で褐藻類の複合多糖に2種類のフコイダン分子が存在することを発見しました。
一つは主に硫酸化フコース(糖の硫酸化物)からなるフコイダンで、他はグルクロン酸を約20%含むフコイダンです。前者をF-フコイダン、後者をU-フコイダンと名づけました。
「U-フコイダンのアポトーシス(細胞の自殺)」誘導作用
前述の両研究所ではフコイダンの生物活性についての基礎研究を進めています。その一つのテーマが、人のがん組織から取り出され、細胞単独で人工的な実験室環境のもとで、何代も増殖可能になったがん細胞に、U-フコイダンがどのような影響を与えるかを見極めるものです。
そのための実験として、生体外・試験管内で起こる現象を観察しました。
シャーレ(培養実験用皿)上で活発に増殖している、ヒト前骨髄性白血病細胞、ヒト急性リンパ芽球性白血病細胞、ヒト胃癌細胞、結腸癌細胞、結腸腺癌細胞に、U-フコイダンを添加しますと生存細胞数が減少し、ゼロ近くになる現象を発見しました。さらに詳細に調べてみますと、
その細胞死は、生命の設計図であるDNAが切断され根元から生存不能になる、アポトーシス(細胞の自殺)により引き起こされたことが確認されました。
一方、対照として、同時に培養していた正常細胞にはU-フコイダン添加の影響はほとんど観察されませんでした。
「アポトーシス」
おたまじゃくしがカエルになる時に尻尾がなくなったり、イモムシが美しいチョウに変身(変態)する時に、いらなくなった細胞がいつのまにか消えていきます。これは、変態の過程で細胞が別の形に変化しているのではなく、いらなくなった細胞が自発的に死んで除去されているのです。
また、ヒトの指も、胎児の頃から指が5本あるのではなく、最初にミットのような塊(肢芽)ができた後に、指の間の特定の細胞が、特定の時期に決まった数だけ死ぬことによって、指の形が浮き彫りのように形成されていくのです。
このような遺伝子(DNA)にプログラムされた細胞死をアポトーシスと呼んでいます。
アポトーシスとは、何らかの特殊物質の存在下や異常環境下で起こる現象で、細胞の形態学的変化およびDNA断片化により引き起こされる細胞死です。毒物や物理的に細胞が損傷されて引き起こされるネクローシス(壊死)とは厳密に区別されています。
「明日葉」
セリ科の大型多年草で、学名をAngelica keiskeiという。伊豆諸島を中心とした太平洋岸に自生する日本固有の植物である。関東地方では食用に供され、特に八丈島では不老長寿の霊薬として広く用いられている。民間薬としても用いられた経緯があり、その効用には、便秘、利尿、
高血圧、貧血、疲労回復、食欲増進、精力増進などがある。さらに、黄色汁が虫刺されや水虫、皮膚のかゆみに有効とされている。
「ホップ」
ヨーロッパ原産のクワ科多年草(学名:Humulus luplus)の雌花(毬花)のことを言う。ビールの苦味、香りづけに用いられることで有名であり、別名『ビールの花』とも呼ばれる。原産地ヨーロッパでは民間薬としても用いられており、その効用は、鎮静効果、入眠・安眠効果、食欲増進、
健胃作用、利尿作用などがある。
「キサントフモール」
フラボノイドの中のカルコンというグループの化合物であり、黄色で分子量は354である。ホップ特有のフラボノイドであり、ホップ1kgにおよそ1〜3g含まれる。
1957年に発見されたが、最近になってその生理活性などが研究され注目されている。その生理活性としては、ガン細胞の増殖抑制、抗変異原作用、抗酸化作用、抗高脂血症作用、骨分解抑制作用、抗菌・抗かび作用等が挙げられる。
「イソキサントフモール」
キサントフモールの構造異性体。ビールでは、製造工程と保存中にホップ由来のキサントフモールの大部分がこのイソキサントフモールに変換される。
「アルツハイマー型痴呆症」
ドイツのアルツハイマーが症例報告した初老期(65歳まで)に発症する痴呆症をアルツハイマー病と呼ぶ。初老期以降に発症する痴呆症も症状、病理学的にも区別する根拠に乏しいため、まとめてアルツハイマー型痴呆症として扱われる。
初期症状は、物忘れ、記銘力低下が起こり、次第に時間的、空間的見当識障害から、全体痴呆へと進み、下肢に屈曲対麻痺を起こして最終的に合併症などで死亡する。病理的には、脳全体の萎縮、変性した神経突起へのアミロイドの蓄積が見られる。特に、有効な治療薬は現在のところ確立していない。
「血液脳関門」
脳血液関門ともいい、中枢神経機能の破綻をきたす血中物質(毒素、神経伝達物質など)の脳内移行を制限し、神経活動のエネルギーとなる栄養素を選択的に移送する機構をいう。脂溶性あるいは低分子ほど良く通過すると考えられている。
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人の脳には約140億個の神経細胞があります。これらの細胞は、生まれた時にはすでに揃っており、20歳を過ぎる頃から1日あたりに約10万個の細胞が死んでいくといわれています。そして、一度壊れた神経細胞は元には戻りません。しかし、心配はいりません。脳においてはこれらすべての神経細胞が実際に働いているわけではなく、
また、壊れた細胞を別の細胞が補い合い、機能を保持するという力が備わっています。
神経細胞には、樹木が枝を伸ばすように、細胞の周りに樹状突起と呼ばれるアンテナ状の突起が伸びています。この突起の先端は「シナプス」と呼ばれ、シナプスで別の神経細胞と結びついています。脳の働きは、この樹状突起を介した神経細胞どおしの結びつき、その結びつきによる細胞間での情報の交換によって行われています。この細胞間での情報交換により、
壊れた細胞の機能を他の細胞が補っていくことができるのです。
頭(脳)は使えば使うほど良くなるといわれていますが、これは本当です。頭を使う、すなわち神経細胞を活性化する、そこでは樹状突起を介した神経細胞どうしでの情報交換が活発に行われます。そして、記憶能力(記銘・保持・再生)すなわち知能が向上していきます。脳では、その機能を発揮するための神経細胞に、十分な余裕があると考えられています。すなわち、使えば使うほど
樹状突起が活発に働き、多くの細胞を知能として機能させることができ、また、歳とともに減少していく神経細胞を補ってもあまりある余裕もあるのです。
歳をとるとともに衰えていく脳の機能、そして現れてくる『ぼけ』という現象、しかし繰り返しますが、脳は十分な余裕を持った組織です。脳、そして神経細胞は上手に使えば長持ちします。そして、自然な加齢での『ぼけ』は防ぐことができますし、治すこともできます。そのポイントは、行動レベルでは「頭を使うこと」、細胞レベルでは「樹状突起」、そして物質レベルでは「NGF(神経成長因子)」ということになります。
もちろん、高齢になるほど「痴呆」になる率は高くなります。65歳で「痴呆」になる人は全体の0.5〜0.7%程度なのに対し、85歳以上になると約20%、100歳だと約60%に達するという調査結果があります。「脳血管性痴呆」は直接的には脳血栓、脳出血が原因となりますが、その原因を引起こすのは、高血圧、高脂血症、糖尿病などの病気です。「生活習慣病」と呼ばれる病気が「脳血管性痴呆」の遠因になることが多く、高齢になるほど当然、
危険率は高くなるわけです。
「アルツハイマー病」の原因は未だに明らかではありませんが、現象としては、急激な脳の萎縮、神経細胞の激減です。そして、現在のところ考えられている「アルツハイマー病」の危険因子も「加齢」であるといわれています。
加齢に伴い、神経細胞の数は減少していくことは事実ですが、残った細胞を活性化すれば、『ぼけ』は防ぐことができます。常に一定の刺激を受けながら社会生活に参画し続けている人は、日常生活に支障をきたすような『ぼけ』に至ることはほとんどありません。加齢による生理的な『ぼけ』では、「頭を使う人は『ぼけ』ない」ということが、『ぼけ』の予防に大きなポイントです。
神経細胞の樹状突起が十分に発達し、情報伝達がさかんに行われると細胞は減っても機能の低下は起こることはない、といっても過言ではありません。
一方、病気に伴う『ぼけ』すなわち「痴呆」は防ぐことができるのでしょうか? すでに述べましたように、「脳血管性痴呆」はその原因につながる「糖尿病」「高血圧」「高脂血症」などの病気の予防、治療が重要です。これらの「生活習慣病」の予防には日常の食生活が大変重要なことは多くの人がご存知のことと思います。しかし、体に良くないと知りながら、つい過食・飽食をしたり、飲酒・喫煙をしてしまうのがごく普通の人の日常なのではないでしょうか?
これからの時代は、食生活に気をかけながらそれをうまく補完できるような、薬ではないもの、すなわち「サプリメント」というものが注目されています。
食べ物のなかには体の機能を保持したり、活性化したりする力が多く存在します。よく使われる医薬品や民間薬も元々は自然の植物由来のものが多くあります。タカラバイオでは、いろいろな健康に良いといわれてきた食べ物を研究し続けてきた結果、『ぼけ』に効果が期待できるNGF産生促進力をもつ「明日葉」「ホップ」などの食用植物が発見されたわけです。このような食べ物を日常摂ることで、またこのような食用植物を上手に使った「食品」「サプリメント」を毎日 食べることで、『ぼけ』、「痴呆」を克服することが十分に期待できます。
平成15年6月25日の日経産業新聞から
宝ホールディング傘下の事業会社タカラバイオ(大津市、加藤郁之進社長)は、糖尿病治療に有効な化合物群と、白内障など糖尿病の合併症を防ぐ効果が期待できる化合物をアシタバの成分中に発見した。今秋をメドにこれらの化合物を含む食品を発売する。将来は医薬品の開発をめざす。
平成15年6月25日の日本工業新聞から
タカラバイオ(社長・加藤郁之進氏、滋賀県大津市)は24日、アシタバに糖尿病症状を改善する有効成分が多く含まれているを初めて発見したと発表した。前駆脂肪細胞にアシタバ成分中の脂肪細胞分化活性物質群が作用し、脂肪細胞への分化を促進。脂肪細胞がグルコースを取り込んで中性脂肪を正合成し、細胞内に貯蔵する。さらに脂肪細胞の分化はインスリンが作用しやすくなるため、血糖値が低下するという。同時に、アシタバに含まれる二種類の新規カルコンが、糖尿病の合併症である
白内障などの原因となるアルドース還元酵素を阻害することも突き止めた。